オフィス移転で見直すべき社内動線のチェックポイントとは?
オフィス移転というのは、会社にとって新しいスタートを切るきっかけになる大事な出来事の1つです。例えば今まで地方で営業を頑張ってきた企業が、大都市へオフィスを移転すると、自分たちの会社が成長したことを実感するでしょう。
せっかくオフィス移転をしたのであれば、動線のチェックも事前にやっておきたいところです。
動線計画をすることによるメリット
オフィス移転をする際にはレイアウトを新たに考える必要があります。レイアウトを考えるうえで重要になるのが動線計画です。業務時間中のオフィスというのはさまざまな物や人が行き来しています。特に大人数の会社の場合は常に複数の人が移動していることも珍しくないでしょう。
移動している人たちを見ると、好き勝手に動いているように見えますが、基本的には無意識にできるだけ少ない距離で移動するようにしようとするため、よくよく観察していると移動する人や物ごとにルートというのはパターン化されていることが多いです。
新しくオフィスを構える際の設計をするにあたっては必ず事前にこのオフィスではどのように人が移動することが多いのかを考えながらレイアウトをしますし、逆に人や物のルートがパターン化されやすいように計算をしてレイアウトをします。動線計画をしっかり考慮したレイアウトをすることによって何よりも人の移動がスムーズになります。
家庭でも家族が行き来する際に自分が通ろうとする道が塞がっていると余計な時間がかかりますし、ストレスにもなるでしょう。ましてや企業であれば、場合によっては1分1秒がその会社の売り上げを大きく左右することもあります。
極力無駄な移動や時間のロスを防ぐような動線にすることによって、企業全体の生産性が大きくアップするでしょうし、社員も快適に業務をすることができます。
動線計画はシンプルにするのが一番
例えばこれまで和歌山県で会社を運営していた企業が、成長を機に大阪へとオフィス移転することを計画していたとします。大阪へ移転するのをきっかけとして、より社員が働きやすいオフィスへとするため、和歌山のオフィスで抱いていた不満点を社員からヒアリングして、大阪のオフィスではそれを参考に動線のチェックも行おうとしました。
ところが様々なパターンを想定しすぎてなかなか良いレイアウトが決まらずに悩んでしまう、というのはよくあるケースです。人はロボットや機械ではありませんから、状況によっていろいろなルートで移動することとなるでしょう。
しかしすべてのルートを想定しながらレイアウトを組んでしまうとデスクの配置などが複雑化して、かえって人の移動が困難になるという結果に陥ってしまう事が多々あります。全てのパターンを想定しても、それらを全部叶えるようなレイアウトを考えるというのは不可能です。
まずは自分たちの企業のオフィスではどういった業務がメインとなるのかを考えてみましょう。するとそれぞれのデスクからのメインルートがおのずと見えてきます。メインのルートが見えてきたら、そのルートを妨げないようなレイアウトにすれば、例外を除いて社員全員が動きやすいようなオフィスにすることができるでしょう。
あまり複雑に考えず、直感的に移動できるようなレイアウトにするのが基本です。
メインとサブ、避難用の動線を考える
業務内容を想定することで、だいたいメインとなる動線は見えてきたのではないでしょうか。しかしメインのルートだけでは快適なオフィスにするにはまだ不足しています。
メインのルートというのは言い方を変えれば「人が頻繁に行き来しているルート」になります。常に誰も居ない状態を維持できていれば良いですが、誰かがそのルートを塞いでいたとしたら、その通路を使うことができません。複数のルートを考慮してレイアウトを組む必要はありませんが、メインの動線を使えない時に利用できる「サブ」のルートは必ず必要になります。
サブのルートはメインのルートが塞がっているとき以外でも役に立つことがいろいろとあります。例えばコピー機や出入り口などは状況によって人の行き来が集中することがあります。この時サブのルートがあれば、迂回して目的地に行くことができるため、業務が滞るといったことが無くなります。
そして、忘れてはいけないのが非常時の経路の確保です。災害というのはいつ何時発生するかわかりません。テレビで報じられているニュースなどでも、オフィスの非常用経路が確保されていないことが原因で多数の犠牲者が出てしまうような事例が取り上げられていたりします。避難というのはそれこそ1分1秒を争うものですから、どこに居てもすぐに避難ルートが分かるようなレイアウトを計画したいところです。
オフィスのレイアウトを考える際に動線のチェックをすることはとても重要です。動線が常に確保されていれば社員一人当たりの作業効率は大幅にアップし、企業の成長につながるでしょう。また非常時の際、避難するための導線もしっかり考えましょう。