オフィス移転は、単なるオフィスの引っ越しではありません。
オフィスの課題を解決する、新たなメリットを得るなど様々なプラスの効果をもたらします。
一方で、オフィス移転によってデメリットが生じてしまうこともあるので、あらゆる可能性を考慮した上で決断をすることが大切です。
この記事では、オフィス移転によって得られる代表的な効果の紹介と、移転自体を見直した方がよい場合についてを紹介します。

A.オフィス移転によって得られる効果

オフィス移転は企業の成長や変革に対応するために重要なプロジェクトです。
得られる効果は様々ですが、大きく分類すると4つになります。
以下では、オフィス移転によって得られる効果について詳しく紹介していきます。

A-1.従業員数の増加に対応するため

会社の規模拡大に伴い、従業員が増加することで現状のオフィスが手狭である場合があります。
その場合は、従業員数に合わせてより広いオフィスに移転することで、快適な作業環境を保てるようにします。
その際は、スペースさえ確保すればよい訳でなく、オフィス内の導線や配線などの配置にも配慮する必要があります。
そういった部分は素人では気づきにくく、設計が難しい部分になるため、プロに相談して適切に設計してもらうことで、効果的なレイアウトの実現に繋がります。

A-2.余分なコストを削減するため

近年はテレワークやハイブリットワークの普及により、社員がオフィスに出社する頻度が減少した企業が増えています。
働き方の変化に伴い、オフィスの座席が余っているなど余分なスペースが発生している場合、適切な広さのオフィスに移転することで、固定費を削減することができます。
また、削減された資金は新規事業に投資するなど企業の成長戦略に活かすなど、新たなチャレンジも可能になります。

A-3.柔軟な働き方に対応するため

近年はテレワークやハイブリットワークの普及に伴い、業務のオンライン化が普及しています。
Web会議、フリーアドレス化に対応した設備やレイアウト設計が求められる企業が増加しています。
また、多様な働き方に対応することの副次的効果として、優秀な人材を確保しやすくなることがあげられます。

A-3-1.会議室

Web会議に対応できる会議室の準備は大切です。
例えば、音漏れ防止のためにパーテーションを設置したり、Web会議用のマイク、スピーカー、カメラなどの機器を導入することで、ストレスのないWeb会議を実現することが可能です。

A-3-2.個別ブース

オフィス内でWeb会議が多く開催される場合、会議室のみではスペースが足りなくなることがあります。しかし、会議室をいくつも準備するのは、現実的な施策ではないことがほとんどです。
そのような場合は、一名用の個別ブースを設置することがおすすめです。
一人でWeb会議に参加する時は、わざわざ会議室を使用せずとも、音漏れを気にせずWeb会議に参加することができます。
また、ブースが空いている時は、集中スペースとしての活用することで、社員の生産性アップにも繋がります。

A-3-3.フリーアドレス化

ハイブリットワークなどで毎日出社しない社員が多い場合は、社員一人ひとりに座席を準備する必要がないかもしれません。
フリーアドレス化を導入することで、必要な席数を最小限に抑えることが可能です。

A-4 .社員の生産性・モチベーションアップを狙うため

現状のオフィスに重大な課題があるのであれば、社員の生産性やモチベーションを阻害する原因になっている可能性があります。
オフィスの課題を解決することで社員は働きやすくなり、生産性やモチベーションの向上になります。
その結果、企業の業績向上にもつなげることができます。

B.オフィス移転自体を見直したほうがよい場合

ここまで、オフィス移転をした際のメリットを紹介してきましたが、移転によってデメリットが生じてしまう可能性もあります。
以下では、オフィス移転を決断する際に留意すべきポイントを紹介します。

B-1.立地や作業環境が悪化する場合

オフィス移転により、得られるものはメリットだけとは限りません。
例えば、オフィス内の導線が悪くなった、オフィスの付近の環境が悪化した、などのデメリットが生じてしまう可能性があります。
また、オフィスの立地を加味して住居を選んでいる社員も少なくありません。最寄り駅が変わる場合は、移転により通勤の負担が増加する社員も発生する事に留意しましょう。
オフィス移転によって、デメリットがメリットを上回ってしまうことはないか吟味する必要があります。

B-2.検証が不十分な働き方改革

柔軟な働き方に対応するためにオフィス移転を検討する企業も増えておりますが、検証不足により、移転後に問題が発生するケースがあります。
Web会議に対応した環境・設備が本当に用意できるか、ハイブリットワークの運用ルールは定まっているか、など充分な検証を行った上で移転の決断を下す必要があります。
こうした検証が不十分なままオフィス移転を行うと、予期せぬトラブルが発生する可能性が高まります。
オフィス移転での効果を高めるためには充分な検証を行うことが欠かせません。

まとめ

オフィス移転は、企業に成長やメリットをもたらす重要なプロジェクトです。社員数増加への対応、固定費の削減、柔軟な働き方への対応、社員の生産性やモチベーションの向上など、様々な効果が期待できます。
一方で、オフィス移転によるデメリットは無視できるものではありません。
オフィス移転はそう何度も行えるものではないため、効果を最大限得るためにも充分な吟味と検証を行った上で決断を下すことが大切です。