オフィス移転時の敷金の返還額の相場はどのくらい?
オフィス移転は大仕事ですよね。オフィスの賃貸は個人で部屋を借りるのと違って多額の敷金が必要になりますが、旧オフィスの分から戻ってくる敷金もあるから大丈夫と思っている方は敷金の返還額が予想以上に少なくて困ってしまうかもしれません。
特に大阪などの大都市はもともとのテナント料も高く、敷金の返還額が気になるところです。ここではオフィス移転時の敷金の返還額についてみていきます。
オフィスの敷金が満額返ってくることはない!?
まず賃貸オフィスの場合、事務所の敷金は一般の住宅と異なり6~12か月分となっています。決して安い額ではありません。しかし敷金はオフィス返還の時に全額返還されるわけではありません。
返還される敷金=入居するときに預けた敷金−原状回復費−償却費となります。それでは原状回復費、償却費とは何かをみていきましょう。
原状回復費用とは何?
敷金が満額で返還されるという確率はほぼゼロといってよいでしょう。なぜかというと原状回復にかかる工事の費用が引かれるからです。
一般の住宅だと経年劣化は仕方がないという認識で普通に使ってできた破損などは修復しなくていい、というように賃借人の立場が守られていますしかしオフィスで商用利用をしていると、この法律が適用されないので基本的には借りたままの状態に戻さないといけなくなり、そのために原状回復費がかかってくるのです。この費用は最初にどれだけ手を加えたかにもよりますが、相場では坪単価3~6万円程となっています。
入居したときにあまり内装にこだわって改装してしまうと、退去するときに工事がかなりかかってきます。この工事にかかった費用を原状回復費とよびます。
償却費がひかれる場合もある
償却費は内装に手を加えていなくても、契約時に決まっている額で差し引かれる費用です。契約時から増減はありません。償却費の相場は賃料の1~2か月分となっています。
例えば賃料の12か月分を敷金として預けていたとします。その2か月分を償却分とする、という契約になっていたときは、たとえ原状回復費がなかったとしても10か月分の敷金しかもどってこないことになります。
償却費は無条件にひかれてしまうのです。最近は償却費必要なし、というテナントも徐々にでてきましたが、まだまだ償却費を差し引くというテナントも多くみうけられます。
まずは入居の時に敷金をいくら払っているか、原状回復費がいくらぐらいかかるのか、償却費がいくらだったのか、賃貸借契約書をチェックして調べるようにしましょう。そして計算してみれば敷金がいくらぐらいかえってくるのかの目安がわかります。
敷金の返還額を少しでも多くするには?
敷金から引かれる額で調整できるのは原状回復費のみです。高額な原状回復費が見積もられている場合はオフィスや借主側に不動産の知識が少ないことにつけこまれている場合があります。
不動産の相場を知っている借主は少ないですし、言われたままの額を払ってしまう人は多くいます。しかし、業者の見積もりは本来行わなくてもよい工事の費用が含まれていることもよくあります。
このほか複数の下請け業者、孫請け業者が工事にかかわり仲介料をぬいていく不動産業界特有の重複工事になっていて高額になっているという事もあるのです。借主がこのような内情や相場を知っていれば余計な工事をしなくて済むことができますし、敷金がいくらぐらいかえってくるのか想像をつけることができます。
無駄な工事をカットすることができれば当然無駄なコストを抑えることができます。契約書に書かれていない場合は自分でリフォーム業者を選定することも可能です。しかし契約書にあらかじめ書かれていることは守るようにしましょう。
契約書は必ず確認しよう!
契約書には敷金について必要なことがたくさん書かれています。まず敷金の返還時期ですが「3か月以内」や「6か月以内」などわかりやすく書かれている場合は良いのですが「なるべく早く」や「速やかに」など明確にわからない場合や記載がない場合もありますので、必ず貸主に確認をするようにしましょう。
また契約書には償却費があるかないかが書かれています。償却費は敷金の返金額を大きく左右するものですから必ず確認するようにしましょう。契約書を読んで少しでも疑問点があれば貸主に確認することが大切です。
まとめ
ここまで敷金についてみてきましたが預けた敷金の返済時期は旧オフィスの契約が終了したあとになります。まず旧オフィスを退去したあとには原状回復工事が入ります。
全てが終わり、もとの状態になるまで契約は続きます。敷金は契約終了の後、3か月から半年して返還されるのが普通です。また敷金の返還額もはっきりとはわかりませんので新オフィス移転の費用に充てることは難しいといえるでしょう。
その為にもオフィス移転はなるべく安くすませたいですね。新しいオフィスで気持ちよく過ごすにもスムーズにオフィス移転をしたいものです。