オフィス移転で見落としがちな「トイレ事情」|事前に確認すべきポイント

オフィス移転を検討する際、立地や賃料、レイアウトといった条件に目が向きがちですが、意外と見落とされやすいのが「トイレ事情」です。
内見時には問題なく見えても、実際に利用が始まってから「個室が足りない」「混雑しやすい」「清潔感が保てない」といった不満が出ることも少なくありません。トイレは毎日使う設備であり、移転後に簡単に変更できない点も注意が必要です。
本記事では、オフィス移転において事前に整理しておきたいトイレの検討ポイントや、内見時に確認すべき点を分かりやすく解説します。
オフィス移転で「トイレ事情」が見落とされやすい理由
オフィス移転の検討では、立地や賃料、フロア面積、レイアウトといった条件が優先されやすく、トイレは「付帯設備」として後回しにされがちです。内見時も短時間の確認にとどまり、実際の利用人数や混雑状況まで想定しないまま判断してしまうケースは少なくありません。
また、トイレに関する不満は移転直後ではなく、日常的な利用が始まってから徐々に表面化する傾向があります。そのため、移転計画の段階では問題として認識されにくい点も、見落とされやすい理由の一つです。
移転前に整理しておきたいトイレの検討ポイント
トイレに関する検討は、物件を見に行く前の段階である程度整理しておくことが重要です。あらかじめ条件や優先度を明確にしておくことで、内見時の判断や比較がしやすくなります。
個室数・男女別の有無
まず考えておきたいのが、利用人数に対して個室数が十分かどうかです。従業員数や男女比を踏まえ、ピーク時でも無理なく利用できるかを想定しておく必要があります。現在の人数だけでなく、将来的な増員の可能性も視野に入れておくと安心です。
職場のトイレの設置数については、労働安全衛生規則や事務所衛生基準規則により一定の基準が定められています。ただし、これらはあくまで「最低基準」であり、実際の利用状況や男女比、来客の有無などによっては、基準を満たしていても不足を感じるケースがあります。法令上問題がないかどうかに加えて、実際の使いやすさを踏まえて検討することが、移転後の満足度につながります。
専有トイレか共用トイレか
トイレが自社専用なのか、他テナントと共用なのかを整理しましょう。共用トイレの場合、利用時間帯が重なりやすくなる点や、来客対応との兼ね合いも考慮が必要です。特に昼休みや始業前後などは、複数のテナントが同時に利用することで混雑が発生しやすくなります。
一方、専有トイレであれば利用状況を把握しやすく、運用面での調整もしやすいというメリットがあります。自社の業務内容や来客頻度、従業員数を踏まえたうえで、どちらが実際の働き方に適しているかを検討しておきましょう。
清掃・管理体制と快適性
トイレの快適性は、設備そのものだけでなく、清掃頻度や管理体制にも大きく左右されます。内見時には問題なく見えても、日常的な利用が始まると、においや汚れが気になりやすくなるケースもあります。
清掃がどの程度の頻度で行われているのか、トラブルが発生した場合にどこまで対応してもらえるのかといった点は、事前に確認しておきたいポイントです。快適に使い続けられる環境かどうかを、管理体制の視点からも整理しておくことが大切です。
移転前に整理しておきたいトイレ検討チェックリスト
- 従業員数・男女比に対して個室数は足りているか
- 将来的な増員を想定できているか
- 専有トイレか共用トイレか
- 来客利用とのバッティングは想定されるか
- 清掃頻度や管理体制は十分か
移転後によくあるトイレ関連の不満・トラブル
トイレに関する問題は、移転直後よりも実際の運用が始まってから顕在化するケースが多く見られます。事前に十分な検討を行っていないと、日常業務の中で小さな不満が積み重なっていきます。
個室不足による不満・ストレス
従業員数に対して個室数が足りない場合、昼休みや始業前後など特定の時間帯に待ち時間が発生しやすくなります。数分の待ち時間であっても、毎日のように繰り返されることで業務のリズムが崩れたり、ストレスを感じたりする原因になります。
特に、外出や来客対応の前後など時間に余裕がない場面では、不満が表面化しやすくなります。個室数の不足は目に見えにくい問題ですが、日常的に使うぶんストレスが蓄積されやすい点に注意が必要です。
来客と従業員の利用が重なる問題
来客用と従業員用の区別がなく共用で利用している場合、利用のタイミングが重なりやすくなります。中でも打ち合わせや来客が集中する時間帯には、従業員が利用をためらってしまうケースも少なくありません。
その結果、利用のタイミングを逃してしまったり、業務に支障が出たりすることもあります。来客対応を重視するあまり従業員の使い勝手が犠牲になってしまわないかを、移転前に一度整理しておくことも大切でしょう。
想定以上に清潔感が保てないケース
共用トイレや清掃頻度が少ない環境では、想定していた以上に清潔感が保てないことがあります。内見時には問題なく見えても、日常的な利用が始まると、においや汚れが気になりやすくなるケースも少なくありません。
こうした状態が続くと、職場環境全体への印象にも影響します。トイレは毎日使う場所だからこそ、小さな違和感が積み重なり、従業員の満足度低下につながる可能性があります。
他テナントとの利用時間帯の重なり
ビル内の他テナントと利用時間帯が重なることで、特定の時間帯に混雑が集中するケースがあります。昼休みや始業前後などは、複数のテナントが同時に利用するため、想像以上に待ち時間が発生することもあります。
内見時にはこうした混雑状況を確認しづらく、移転後に初めて問題として認識されることが多い点が特徴です。共用トイレの場合は、自社だけでなく周囲の利用状況も含めて考える必要があります。
トイレ関連の主な不満・トラブル一覧
| よくある不満 | 起きやすい原因 |
| トイレが混む | 個室数不足/共用利用 |
| 使いづらい | 来客との利用重複 |
| 清潔感がない | 清掃頻度・管理体制不足 |
| 特定時間に混雑 | 他テナントとの利用集中 |
内見時に現地で確認すべきポイント
移転前に整理した検討ポイントを踏まえたうえで、内見時には実際の現場でしか確認できない点を意識して見ることが重要です。図面や仕様書だけでは把握できない使い勝手や雰囲気は、日常利用を想定しながら確認することで初めて見えてきます。
実際の個室数・レイアウト
内見時には図面上の表記だけでなく、実際の個室数やレイアウトを現地で確認しましょう。数としては足りているように見えても、出入口の位置や動線の取り方によって、窮屈に感じたり使いづらさを感じたりする場合があります。
また、洗面スペースの広さや個室の配置によって、利用時の混雑感が変わることもあります。日常的な利用シーンを想像しながら、「同時に何人が使うと窮屈に感じるか」といった視点で確認することが大切です。
共用トイレの場合の利用状況
共用トイレの場合は、自社だけでなく他テナントの利用状況も意識して確認する必要があります。どのフロアの利用者が集まるのか、利用者層はどのような人が多いのかといった点も、現地で感じ取れる情報の一つです。
特に、昼休みや始業前後に人の出入りが多そうかどうかは、実際の使い勝手に直結します。内見時の短時間では判断しにくい部分ですが、周囲の様子からある程度想像しておくことが重要です。
清掃状況・におい・音
清掃状況やにおい、音の響き方などは、資料や写真では分からないポイントです。内見時には実際にトイレ内に入り、清潔感が保たれているかを確認しておきましょう。
また、トイレの位置によっては、使用音やにおいが執務スペースに影響するケースもあります。距離感や壁の構造なども含めて、日常業務への影響を想像しながら確認することが大切です。
管理会社・不動産会社に確認すべき項目
内見時には、管理会社や不動産会社に直接確認しておきたい点もあります。清掃の頻度や対応時間、トラブルが発生した際の連絡先や対応範囲などは、事前に把握しておくと安心です。
また、将来的な改修や設備変更の可否についても、この段階で確認しておくことで、移転後の選択肢が広がります。後から確認しようとすると手間がかかる内容だからこそ、内見時にまとめて確認しておきましょう。
オフィス移転を成功させるために「トイレ事情」を軽視しない
トイレはオフィスの中でも毎日使われる設備でありながら、移転検討の段階では後回しにされがちな存在です。しかし、個室数や清潔感、利用のしやすさといった点は、日々の働きやすさに直結します。小さな不満であっても、積み重なることで職場全体のストレスにつながることもあります。
オフィス移転を成功させるためには、立地やレイアウトだけでなく、トイレ事情のような細かな部分まで含めて検討することが重要です。移転前に条件を整理し、内見時にしっかり確認することで、移転後の後悔を防ぐことができます。
トイレ事情も含めた総合的な視点で、納得のいくオフィス移転を目指しましょう。










