従業員満足度を高めるオフィス設備とは?移転やリニューアル時に取り入れたいポイント

近年、オフィス環境の良し悪しが「従業員満足度」や「定着率」に直結するようになっています。
“居心地のよい職場”をつくるには、見た目のデザインだけでなく、日々働く従業員の声を反映した設備選びが欠かせません。
一方で、オフィス設備の導入はコストもかかるため、何から優先すべきか悩む企業担当者も少なくありません。
この記事では、従業員満足度を高めるオフィス設備のトレンドと、導入にあたって押さえておきたいポイントを整理します。
満足度を高める具体的なオフィス設備
オフィス設備とは単に“便利な機能”を指すものではなく、働く人のパフォーマンスを支える仕組みそのものです。
従業員が働きやすいと感じる環境には、「機能性」だけでなく「心理的な快適さ」も欠かせません。こうした“人の感覚”に寄り添った設備があるかどうかが、満足度の差を生みます。
ここでは、実際にオフィスで人気の高い設備を紹介します。
1.オフィスラウンジ・休憩室
「社内に落ち着いて過ごせる場所がほしい」という声は非常に多く聞かれます。
デスクでランチを取ると、気分の切り替えがしづらく、午後の集中力が下がりやすいといわれています。だからこそ、仕事から離れて過ごせる休憩室は欠かせない設備です。
また、オフィスラウンジや休憩室は、休憩のためだけでなく、ちょっとした打ち合わせや雑談の場としても機能します。
内装や照明を柔らかくしたり、リラックスできるソファや木目調のテーブルなど、オフィスらしさを感じさせない家具を取り入れたりするのも効果的です。“自宅ではないけれど、緊張しすぎない空間”づくりがポイントです。
2.個人用ロッカー
オフィスに個人用ロッカーを設けると、従業員の満足度がぐっと高まります。
荷物の置き場が明確になることで、デスク周りがすっきりし、仕事への集中もしやすくなります。セキュリティ面でも安心感が得られるため、特に従業員満足度が高い設備の一つです。
フリーアドレス制を導入している企業ではもちろん、固定席のオフィスでもロッカーは有効です。たとえば、コートや私物、共有スペースで使う書類などを安心して保管できる場所があることで、“自分の持ち物を大切に管理できる”安心感が生まれます。
また、外出の多い営業職やテレワーク併用の従業員がいる場合にも、ロッカーは“個人の拠点”として機能します。
こうした小さなプライベートスペースがあるだけで、従業員一人ひとりがオフィスに帰属意識を持ちやすくなり、結果として働きやすさの向上につながります。
3.仮眠スペース
短時間でも横になれる環境があると、体調不良時の安心感が格段に高まります。
「少しだけ横になりたい」「お昼休みに仮眠を取りたい」といった声は多く、休養室や仮眠スペースを設ける企業が増えています。
とはいえ、本格的なベッドを置く必要はありません。簡易ベッドやリクライニングチェア、カーテンで仕切った静かな空間を整備するだけでも十分効果的です。
昼に仮眠をとることで午後からの眠気もなくなり、結果として業務効率の向上にもつながります。また、満足度だけでなく従業員の健康管理や定着率向上、求職者へのイメージアップにも有効です。
4.個室作業ブース
エリアをパーテーションで仕切らないオープンなオフィスが主流になる一方で、「集中できる個室がほしい」「オンライン会議のスペースがほしい」というニーズも高まっています。
防音仕様のワークブースやパーテーションで区切られた小部屋は、機密性が求められる業務やオンライン会議にも適しています。
導入時は、設置場所や換気、照明環境を考慮し、閉塞感を与えない設計を意識すると利用率が上がります。
こんな意見も!「ちょっとした工夫」で満足度アップ
オフィス設備というと大がかりなものを想像しがちですが、以下のような小さな工夫で従業員からの満足度や利便性向上を図ることもできます。
畳のスペース
「靴を脱いでリラックスしたい」「和の落ち着く空間がほしい」といった声を背景に、一部のスペースを畳仕様にする企業も登場しています。
ストレッチや仮眠、雑談の場など多用途に使え、温かみのある雰囲気づくりにも効果的です。
スタンディングデスク
「長時間座りっぱなしで疲れる」「姿勢を変えたい」「従業員のために何かしてあげたい」という意見を受けて導入する企業が増加中。
立ち作業を取り入れることで集中力が高まり、ミーティングに使うとテンポが良くなるという声もあります。
このように、満足度の高いオフィス設備は必ずしも高価なものではありません。
従業員の意見を丁寧に拾い上げ、小さな改善を積み重ねることが、「働きやすい職場づくり」への確実な一歩となります。
オフィス設備選びで重要なのは「従業員の声を反映すること」

どれほど魅力的な設備を導入しても、実際に働く従業員のニーズに合っていなければ意味がありません。設備選びで最も重要なのは、「利用者の声を正確に捉え、反映すること」です。
経営層や総務の視点だけで決めるのではなく、アンケートやヒアリングを実施しましょう。
- どんな環境に不便を感じているか
- どんな設備があると助かるか
これらの意見を丁寧に収集し、現場の意見を反映した設備を導入すれば利用率も高くなり、従業員の定着にもつながります。また、導入後も定期的に利用状況や満足度を確認し、改善を重ねることで従業員にとって「本当に使える設備」へと育てていくことができます。
オフィス移転・リニューアル時が見直しのチャンス
オフィスの移転やリニューアルは、設備や環境を見直す絶好のタイミングです。
日常業務の中では後回しになりがちな課題も、レイアウト変更や新拠点への移行に合わせて見直すことで、より効率的で快適な職場環境を実現できます。
たとえば、動線の整理やレイアウト設計とあわせて休憩スペースを新設したり、配線計画を見直して作業ブースの利便性を高めたりといった改善が可能です。
「せっかく移転するなら、これまでの不便を解消するチャンス」と捉えることで、働きやすさと生産性の両立がしやすくなります。
また、専門業者に相談すれば、オフィスデザインだけでなく動線設計・電源やネットワークの配線計画までトータルで最適化してもらうことも可能です。
見た目だけでなく、使いやすさと運用性を重視した設備計画を立てることで、長期的に快適なオフィスを維持できます。
まとめ
従業員満足度の高いオフィスづくりは、まず「人の声を起点に考えること」から始まります。
日々の業務で感じる不便や、あったら嬉しいものなどの意見を丁寧に拾い上げることが、真に働きやすい環境づくりへの第一歩です。
「働きやすさ」「健康」「交流」「快適性」を支える設備は、単なる職場の機能を超え、従業員一人ひとりの意欲や定着率にも大きく影響します。
こうした設備を計画的に整えることで、オフィスは“働く場所”から“人が主役となる場所”へと進化していきます。
設備選びをきっかけに、従業員がより生き生きと過ごせるオフィスづくりを目指しましょう。










