オフィスの移転には事務手続きや物品の移送などさまざまな工程があり、トラブルが起きることも少なくありません。一方、経験が豊富で配慮が行き届いた移転業者に仕事を依頼できると、トラブルを未然に防いでくれたり、気付かなかった点までアドバイスしてくれたりしてとても助かります。

そこでこの記事では、オフィスの移転とホスピタリティの関係について解説します。

1.オフィス移転成功の鍵は「ホスピタリティ」

「オフィスの移転」と「ホスピタリティ」という言葉は、少し結び付きにくいかもしれません。しかしオフィス移転を経験したことがある人なら、オフィス移転にホスピタリティがいかに重要かを実感していただけると思います。

この項目ではまずホスピタリティについて解説し、それがオフィス移転に欠かせない理由についても説明します。

そもそもホスピタリティとは

そもそもホスピタリティとは、おもてなしや思いやりという意味を持つ言葉です。他人を不快にしないための「マナー」や、対価のやり取りによってサービスを行う側と受ける側がはっきりと区別される「サービス」とは異なり、対価を求めない「おもてなしの心がけ」こそがホスピタリティの真髄です。

そしてホスピタリティは、高い顧客満足度を伴うため、将来的な利益につながるものでもあります。ホスピタリティが特に重視されるのはサービス業界で、そこではホスピタリティの考えに基づく以下の三段階のおもてなしが必要と考えられています。

・第一段階…報酬に応じた業務を過不足なく行う
・第二段階…雨の日には防水性のある袋を用意するように臨機応変なサービスを提供する
・第三段階…プレゼント用のラッピングにカードを添えるといった、小さくても喜びを感じてもらえるような気配りができる

オフィスにおけるホスピタリティの重要性

オフィスにおけるホスピタリティは、サービス業界でリピーターを獲得するための利益に直結するおもてなしだけではありません。オフィスには複数の人がいて相互に関係しあっていますから、職場内のホスピタリティは働く人の相互利益に貢献するのです。

悪い例を挙げれば、社員のための個別相談の内容が廊下に筒抜けになってしまうような環境では、社員は安心して相談ができません。またそんな環境では顧客との商談も十分にできず、商機や利益を逃してしまう可能性につながるでしょう。

このようなリスクを想定して、必要な場所に必要なレベルで環境を確保するのも、オフィスにおけるホスピタリティの一例です。

オフィス移転とホスピタリティの関係性

働きやすい環境を整え、従業員の満足度を高めることは、労働環境の改善を目指すうえでも重要な要素です。とはいえ、そのような改善を日常的に実施し続けるのは企業としても大変です。そのため、新たな環境が得られるオフィス移転は、社内のホスピタリティ向上の絶好の機会といえるでしょう。

法律上定められた休日取得を順守するだけではなく、日常的な社員のコミュニケーションを改善し、一般社員と管理職が十分に意思疎通できるシステムを構築することも、社内のホスピタリティを充実させ、より良い顧客サービスの提供につながります。また、オフィス移転時なら、安全性や働きやすさの向上も可能です。

2.オフィス移転に重要なホスピタリティ・コーディネーター

ここではホスピタリティ・コーディネーターという資格と、ホスピタリティ・コーディネーターが存在するオフィス移転業者について解説します。

ホスピタリティ・コーディネーターとは

ホスピタリティ・コーディネーターとは資格の名称のひとつで、「おもてなし」について体系的に学んだ人が獲得できるものです。ホスピタリティ・コーディネーターの資格は決して難しいものではなく、大阪で講義や試験を受けるのは難しいものの、多くは2日間の日程で講義を受け、試験を受けることで取得できます。

ホスピタリティ・コーディネーターは顧客に喜びを与える接客を学ぶので、企業が提供するサービスの質を向上させるための支柱となり得ます。また、おもてなしについての知識を社内のメンバーに伝えることもホスピタリティ・コーディネーターの仕事なので、社内教育においてもキーパーソンとして活躍できるでしょう。

ホスピタリティ・コーディネーターがいるオフィス移転会社を選ぶ意味

新しいオフィスへの移転は、安全で使いやすい環境を構築できるチャンスのため、社内のホスピタリティの改善が期待されます。

もちろん、安全で使いやすいレイアウトを整えるためには専門家の助言が必要となることが多いので、ホスピタリティ・コーディネーターだけですべてが完結するわけではありません。

例えば、オフィス内の気密性を上げると冷暖房効率が上がりますが、シックハウス症候群などのマイナス要素を考えると、使用する素材や通気性にも配慮しなければなりません。専門家との対応をホスピタリティ・コーディネーターが引き受けてくれる企業もあります。

また担当者の負担を軽減するという意味では、ワンストップで対応してくれるオフィス移転業者も各手続きがスムーズに進みおすすめです。

まとめ

この記事では、オフィス移転とホスピタリティについて解説し、ホスピタリティ・コーディネーターがいる移転業者の意味を紹介しました。顧客の満足度を高めるためには、社員が充実感を持って働ける環境とシステムが必要であり、その構築にはホスピタリティ・コーディネーターが役立ちます。
ぜひオフィス移転の際にはホスピタリティの観点からも業者探しやオフィス改善を心がけてみてください。