オフィス移転前に確認しておこう!【解約予告期間】とは?
オフィス移転を検討する理由は様々ですが、大阪に限らず移転には現オフィスの解約手続きが必要となります。中でも事前確認を怠ってはいけないのが、解約予告期間です。解約予告期間を考慮して移転スケジュールを組まないと、費用的に損をしてしまうことがあります。そこで、ここでは契約予告期間について取り上げていきます。
オフィス移転前に確認必須の解約予告期間とは?
解約予告とは、現オフィスのオーナーや管理会社に退去する旨を通知することです。解約予告期間は、解約予告をしてから実際に退去する日までの期間をことで、通常は賃貸借契約書内の賃貸借期間内解約や中途解約といった条項に記載されています。
一般的に、解約予告期間はオフィス面積によって異なり、30坪以上のオフィスであれば6か月、10~30坪の場合は3か月、10坪以下では2~3か月、マンション・戸建ての場合は1~2か月であることが多いです。ただし、これらはあくまで目安なので、必ず自身の契約書を確認しましょう。
十分な確認を行わずにオフィス移転のスケジュールを組んでしまうと、余計な費用がかかる可能性が高くなってしまいます。 基本的に、オフィスを移転するに当たって、新オフィスの内装工事を行う場合、工事期間中は現オフィスを使用しなければいけません。そのため、現オフィスと新オフィスを同時に借りる期間が生じますが、この期間が長すぎると賃料の二重払い期間も長くなり、移転コストが高くなってしまいます。
しかし、オフィスを移転する場合は、現オフィスの原状回復工事も必要です。一般的に、原状回復工事は契約予告期間に行う要必があるため、賃料の二重払い期間のことばかり考えていると、退去日になっても回復工事が終わっていないという事態に陥り、違約金の支払いを求められる可能性があります。
このような理由から、オフィス移転をする際は、必ず解約予告期間を十分に確認した上でスケジュールを組むことが重要です。
オフィス移転のコストを抑えるには
そもそも解約予告期間が設けられている理由は、主にオーナーを守るためです。解約予告期間がない場合、入居者が移転してしまうとオーナーは急に収入源を失うことになりますが、解約予告から退去するまで一定期間あることで、オーナーは期間内に次の入居者を探すことが可能です。
一方で、入居者にとっては、解約予告期間は短い方が移転スケジュールを組みやすくなり、移転コストを抑えることができます。 そのため、オフィス移転を検討する場合は、オーナーと解約予告期間を短くする交渉を積極的に行ってみましょう。各入居者に対して統一の契約を締結しているオーナーの場合は、交渉に応じてくれる可能性は低いですが、交渉条件によっては期間短縮を検討してくれるオーナーもいるため、まずは交渉してみることが大切です。
また、解約予告期間と併せて押さえておきたいのがフリーレントという仕組みです。フリーレントとは、入居後の賃料が一定期間無料となる仕組みのことで、オフィス移転に伴う賃料の二重払いを回避できます。一般的には、1~3か月程度であることが多いものの、長い場合は6か月というケースもあります。
フリーレントは、入居者を集めやすくなるためオーナーにとってもメリットがある仕組みなので、近年は大阪でもフリーレント期間を設けた物件も少なくありません。また、移転先のオーナーと交渉することでフリーレント期間を設けてくれるケースもあります。ただし、フリーレント期間がある場合、一定期間内に解約すると、フリーレント期間の賃料や違約金の支払いが発生する契約となることが多いため注意が必要です。
解約予告を通知する2通りのタイミング
解約予告通知を出すタイミングは、大きく2つに分けられます。一方は新オフィスを決定する前、もう一方は新オフィスの契約後となりますが、どちらにもメリット・デメリットがあります。
新オフィスを決定する前に通知する場合、現オフィスと新オフィスを同時に借りる期間が短くなるため、賃料の二重払いを少なくできることがメリットです。また、二重払いする期間が短いということは、フリーレント期間の短縮にもつながるため、新オフィスのオーナーとフリーレントの交渉がしやすくなるというメリットもあります。
一方で、移転先物件を探す期間が限られることがデメリットです。一般的に、移転先の物件が決まったとしても内装工事や各種手続きが必要なので、解約予告が6ヶ月前の場合は、余裕をもって退去日の2か月前には移転先と契約する必要があります。
大阪には数多くの物件がありますが、必ずしも納得できる物件が見つかるとは限りません。基本的に、解約予告の通知は取り消すのが難しいため、ある程度妥協した物件と契約しなければいけないケースもあります。
新オフィスと契約してから通知する場合は、物件探しに時間をかけることができ、納得した物件が見つからない場合は移転自体を中止することもできることがメリットです。しかし、賃料の二重払い期間が長くなりやすいというデメリットがあります。
入居日を契約日の数か月後にしたり、フリーレント期間を設けてもらうことで二重払い期間を短くすることは可能ですが、いずれの方法でもオーナーは、数か月収入が無くなってしまいます。そのため、入居者はある程度の二重払い期間を覚悟する必要があるでしょう。
大阪でオフィス移転を成功させるには、移転前に解約通知期間を十分に確認することが必要不可欠です。解約通知期間は移転コストを左右する重要な要素で、確認を怠ると賃料の二重払いや違約金が発生して、思わぬ費用がかかる恐れがあります。そのため、解約通知期間を考慮して移転スケジュールを組み、早め早めに行動して移転を成功させましょう。