「目線」に配慮したオフィスレイアウトで業務効率を高めよう!
職場で上司に話しかけたいのに目が合わず断念した、という経験はありませんか。
逆に、向かいの席の人の視線が気になり仕事に集中できないことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
これらは業種やコミュニケーションの重要性に合わせたオフィスレイアウトにすることによって、緩和できることがあります。
レイアウトを考案する上では、デスクや棚など無駄のない配置を重視することも大切ですが、社員の働きやすさも考慮しなければなりません。
今回は目線に配慮したオフィスレイアウトをテーマに、目線が合うレイアウトのメリットやデメリット、レイアウトパターンを中心にご紹介します。
オフィスレイアウトに目線の観点を取り入れる重要性
まずはオフィスレイアウトを考える上で目線の観点を取り入れる重要性について確認していきましょう。
職場において目線がどのような影響を及ぼすのか、「コミュニケーション」「居心地」の2つの視点から見ていきます。
目線はコミュニケーションに影響を及ぼす
目線は良くも悪くもコミュニケーションに影響を及ぼします。
一般的に、人は他人と目が合った時に何か話しをした方が良いという意識が芽生え、コミュニケーションのきっかけとなるからです。
オフィスにおいて互いに目線を感じ取れるようにできれば、コミュニケーションを円滑にする一助となるでしょう。
一方で、コミュニケーションをあまり要しない、各個人のみで業務を行う機会が多ければ、互いに目線があまり合わない方が好まれるかもしれません。
目線はオフィスの居心地に影響を及ぼす
コミュニケーション同様に、目線はオフィスの居心地の善し悪しにも影響を及ぼします。
目線を感じることで過度に緊張したり集中できなかったりする人もいるでしょう。
逆に誰かに見られていることで、適度に緊張感が保たれ仕事に集中できることもあります。
このように、オフィスにおける目線は業務に対して少なからず影響を及ぼします。
業務内容や社員の性格を加味して、目線の観点も取り入れたオフィスレイアウトの考案が重要となるでしょう。
目線が合うオフィスのメリットとデメリット
オフィスで仕事をする上で、社員同士の目線が合うことにはメリットもデメリットも考えられます。
それぞれ見ていきましょう。
【メリット】社員全体のコミュニケーションの促進
先にご紹介した通り、目線はコミュニケーションに影響を及ぼします。
そのため、目線が合うオフィスレイアウトに整えると、社員同士のコミュニケーション促進が期待できます。
上司と部下、同僚などタテとヨコの繋がりはもちろんですが、最近は部署の垣根を越えてプロジェクトごとで仕事を行う企業が増えてきています。
互いに目線が取りやすい空間を作ることは、他部署との交流も盛んになり、スムーズな連携においても役立つでしょう。
【メリット】チーム内の議論の活発化
コミュニケーションの取りやすさは議論の活発化にも繋がります。
企業によっては、チーム内で意見を出し合ったり、頻繁に議論を重ねたりすることを重要視している場合もあるでしょう。
例えばマーケティング部門などは、常に新しいマーケティング施策を計画しながらプロモーションの準備などを同時並行で業務を行います。
このような仕事は、チーム内でのやりとりが重要になります。
オフィスレイアウトの場面においても発言のしやすい環境を整える必要があると言えるでしょう。
議論が活発化されやすくなることで、新たなビジネスアイデアが生まれるきっかけにもつながります。
【メリット】緊張感と安心感が生まれる
目線が合うことで緊張感が高まるのもメリットの一つです。
人目を気にしないで済む環境下では緊張感が薄れ、集中して仕事に臨めない社員も中にはいるでしょう。
オフィスにおいては適度な緊張感が必要です。
また、入社したばかりの社員にとっては、目線が合いやすくなることで分からないことをすぐに周りに相談できるという安心感も感じられます。
緊張感と安心感を与えるためにも、適度に目線が合うようにオフィスレイアウトを整えましょう。
しかし、重要なのは”適度”に目線が合うことです。
人によっては過度に緊張を感じてしまう可能性もあるので注意が必要です。
【デメリット】集中力がそがれる
目線が合うオフィスレイアウトのデメリットとしては、集中力が削がれるリスクがあることです。
あまりにも目線が合いやすいオフィスレイアウトの場合は、視線を感じて集中できないという社員も中にはいるでしょう。
例えば、オフィス内でコミュニケーションを促進させたいものの、視線に敏感な社員にも配慮したい場合は、集中スペースを作るなどレイアウトを工夫することで対応しましょう。
【デメリット】極度な緊張によるストレス
人によっては、監視されているという意識が生まれてしまい、ストレスを溜め込む社員が出てくるリスクもあります。
誰かに見られているような気になると、些細なことが気になり、不安感や緊張感を感じやすい状態になってしまいます。
過度に互いの目線を感じてしまうオフィスレイアウトにすると、業務効率の低下と社員のメンタルヘルスの問題が生じる可能性があるので注意しましょう。
目線が合わないオフィスレイアウトにするとどうなるのか
では逆に、目線が合わないオフィスレイアウトにするとどのようなことが起こりえるのか、確認していきましょう。
目線が合わないオフィスレイアウトにすると、互いの視線が意識されない環境になるので、自分だけの世界に入って仕事に集中しやすくなります。
しかし、その分社員同士のコミュニケーションは不足しがちになるでしょう。
コミュニケーション不足は仕事にも悪影響を与える可能性があります。
また、周囲から見放されて独りぼっちになっていると感じる社員も出てくるかもしれません。
不安を煽ってしまう結果となり、ストレスを抱えることになりかねません。
目線が合わない職場環境も、コミュニケーション不足やメンタルヘルスのトラブルを起こすリスクがあるので注意が必要です。
目線を考慮したオフィスレイアウト3パターン
社員の目線のあり方によって、職場の雰囲気や業務効率も大きく変わってきます。
業種やコミュニケーションの重要性によって、適切なレイアウトにすることが大切です。
ここからは目線を考慮した基本的なレイアウトパターン3つをご紹介します。
島形型レイアウト
デスクを向かい合わせにして座る配置で、最も一般的なオフィスレイアウトです。
対面のため正面に座っている社員とは頻繁に目線が合うため、コミュニケーションが取りやすくなります。
連携して行う業務やチームで意見やアイデアを出し合う会社に向いているでしょう。
同向型レイアウト
学校での授業形式のようにデスクが一方向を向いて配置されているスクール式のレイアウトです。
デスクワークをしている社員同士は目線が合いづらいため、集中して業務を行うことができます。
採用している企業はあまり多くはないと思われますが、受付業務や一線式業務を行う部署に向いています。
背面型レイアウト
デスクを壁に向けて配置するレイアウトです。
他の人と目線が合うことがないため、個人で黙々と仕事を進めていく開発職などの業種に向いています。
後ろを向いても他の人たちも、壁の方を向いているので目線が合うことはないでしょう。
しかし、スペースが必要になるため、人数が少なめのオフィスであるか、広いスペースが必要となります。
このようにデスクの配置だけでも社員の目線が変わります。
他にも、パーテーションや棚の配置などを工夫することが可能です。
オフィスレイアウトが社員の目線を上手にコントロールするための重要なポイントだと考えられるでしょう。
目線を職場に合わせてオフィスレイアウトをしよう
オフィスレイアウトは社員の目線を変える大きな要素になり、その違いによって良くも悪くも、コミュニケーションや業務効率、メンタルヘルスにも影響を与える可能性があります。
職場によってどのような目線のあり方が適しているかは異なります。
業務の性質や社員の性格を考慮して、働きやすく業務効率が上がる環境をオフィスレイアウトを通して整えましょう。