オフィスレイアウトの難点、管理職の席の適切な位置とは?
オフィスレイアウトを考えるうえで、管理職の席の位置に迷う方は多いでしょう。
部下との距離が近すぎると部下がストレスを感じる可能性があります。しかし遠すぎると、上司は部下を管理しにくくなります。
管理職目線と部下目線、相反する目線ですが両者とも等しく利用するオフィスにおいてはどちらも欠かせないものと言えるでしょう。
そこで本記事では管理職目線と部下目線、両者の視点から適切な、仕事をしやすいオフィスレイアウトについて紹介していきます。
まずは仕事をしにくいオフィスレイアウトを考えてみよう
仕事をしやすいオフィスレイアウトを考える上では、まずは仕事をしにくいレイアウトをおさえておくことでイメージが行いやすくなる可能性があります。
管理職と部下、それぞれが仕事をしにくいと考えられるオフィスレイアウトを見ていきましょう。
管理職が仕事をしにくいオフィスレイアウト
毎日座席が変わるレイアウト
部下が座るデスクが毎日変わるレイアウトの場合、部下に話したいことがあってもすぐに見つけられません。
特に緊急の場合は上司も困ってしまうでしょう。
具体的な名称としてはフリーアドレス型レイアウトが挙げられます。社員全員のデスクを固定しないレイアウトで、気分によって毎日好きな場所を使用できます。
異なる部署やチームの社員同士でコミュニケーションがとれるというメリットがありますが、仕事の管理はしにくいでしょう。
顔が見えないレイアウト
たとえばブース型レイアウトは、パーティションなどで一人一人のデスクを区切って個室のように使用するレイアウトです。
周囲からの視線を感じることなく仕事に集中できるため、個人で黙々と行う仕事には適しています。
しかしパーティションによって社員の顔が見えなくなるため、どこに誰がいるのかが分かりにくいです。
また表情も見えないため、上司にとっては部下が困ったり悩んだりしていたとしても気づきにくいというデメリットがあります。
部下が仕事をしにくいオフィスレイアウト
上司の視線を常に感じるレイアウト
仕事をしている時に常に上司からの視線を感じるオフィスレイアウトは、部下に大きなストレスを与えます。
たとえば対向式レイアウトが挙げられます。管理職は入り口から最も遠い場所に座り、部下は入り口に近い場所から並んで座るという配置です。
管理職だけが部下のほうを向いて座っているため、部下たちはいつも監視されているような気持ちになるでしょう。
さらに、学校の教室のようなレイアウトで部下が座り、一番後ろに管理職が座る配置もあまりよくありません。
部下からは管理職のことが見えないため、背後に視線を感じてさらに監視されているような気持ちになるでしょう。
上司に話しかける時もいちいち振り向いて様子を伺わないといけないので、大きなプレッシャーになる可能性があります。
上司に質問しにくいレイアウト
上司に質問しにくいレイアウトも、部下にとっては仕事がしにくいでしょう。
たとえば対向式レイアウトであれば、入り口に近ければ近いほど管理職との距離は遠くなります。
静かなオフィスの中で、立ち上がって管理職のもとまで行く勇気が出ない部下は多いといえます。
また、入り口付近に座っているのは新入社員や若手社員が多いため、なおさら質問しにくいでしょう。距離が遠ければ上司が忙しいのか手があいているのかも分からず、タイミングも掴めません。
管理職も部下も仕事がしやすいレイアウトとは?
それでは管理職と部下いずれも仕事がしやすいと思われるオフィスレイアウトについてご紹介してきます。
島型レイアウト
島型レイアウトは、部署やチームごとにデスクをいくつかまとめて、オフィスに島をつくるレイアウトです。
同じ部署やチーム同士の社員の距離が近いため、コミュニケーションが取りやすいです。特に新入社員や若手社員にとっては、近くに座っている上司に質問しやすいといえます。
さらにチームごとに島をつくることで、管理職も部下がどこにいるのか把握しやすく指示なども出しやすいでしょう。
この場合、管理職の席をオフィスの真ん中に配置すると上司からの視線を感じることがなく、部下と上司の距離も遠すぎないのでおすすめです。
背面型レイアウト
背面型レイアウトとは、お互いに背を向けて仕事をするレイアウトです。
人数が多くてデスクが対面してしまう場合は、パーティションなどで視線を遮ります。
仕事をしにくいオフィスレイアウトとしてパーティションを用いるケースをご紹介しましたが、背面型レイアウトの場合は互いの距離が近く、振り返ればすぐにコミュニケーションが取れるため、上司にとっても部下にとっても質問や相談がしやすいといえます。
管理職を近い席に配置しても、部下は上司からの視線を気にせずに仕事ができるでしょう。
左右対向式レイアウト
左右対向式レイアウトとは、列ごとに座る向きを変えてデスクを互い違いに並べるレイアウトです。
たとえば一番右の列は全員前を向いて座り、その隣の列は全員後ろを向いて座ります。そうすることで視線がぶつからないので、部下にとってのストレスが少ないといえます。
また、一列に整列しているため上司も部下のデスクを把握しやすいでしょう。この場合は管理職を列の先頭に配置することで、監視されている感覚にはなりません。
なお、このレイアウトは横を向いた時に隣の人と目が合いやすいため、列と列の間に棚を置いたりしてパーソナルスペースを確保する必要があります。
棚を置けば収納スペースも確保できるので、一石二鳥ではないでしょうか。
全員が働きやすいレイアウトにしましょう
オフィスレイアウトでは、全員が働きやすい環境を作ることが大切です。
オフィスで感じるストレスによって場合によっては退職してしまう人もいるので、十分に配慮することが求められます。
また、上司と部下の距離は近すぎず遠すぎないことが大切です。誰か1人に負担がかかってしまうような配置も避けましょう。
コミュニケーションを取りやすいレイアウトにすることで、業務効率のアップにも繋がる可能性があります。