オフィスの空調設備の種類と違いを事前チェックしておこう
今、自分が働いているオフィスの空調について考えたことはありますか。空調によってオフィス移転後の利便性や月々のコストがかなりかわってきます。なんとオフィスでかかる電気代のおよそ半分が空調費用となっているのです。空調設備には主に2種類が存在します。ここではオフィスの空調設備と種類をみていきましょう。
個別空調方式とそのメリットを考えてみよう
個別空調方式とはその名前の通り、各フロアをそれぞれ別の会社に貸しだしている建物で使われている方式をさします。それぞれの会社、団体ごとに空調をつけるかつけないか、冷房にするか暖房にするか、もちろん温度調整も可能になるのです。
中規模以下のビルでは多くの場所で個別空調方式が使われています。個別空調方式は使いたい分だけコントロールして空調を使うことが可能なので、電気料金の無駄がありません。使用制限もないので、基本的には24時間使うことができます。
また、空調の設定を自由に変更できるのも嬉しいポイントです。冷暖房の空調運転切り替えをはじめ、風の強弱や湿度なども自由に設定することができます。しかし、ごく稀に個別空調方式を採用していても自由に設定ができない空間もあるのであらかじめ確認しておくようにしましょう。
個別空調方式は使った分だけメーターが動くため、利用した分だけ電気料金がかかるようになります。
セントラル空調方式とその特徴をかんがえてみよう
セントラル空調方式は、大型ビルで使われているタイプとなっています。一つの管理室ですべての空調を動かしているため、個々では調整が不可能な仕組みとなっていて大阪などの大都市に多く見られるタイプです。
1フロアが300坪(1000㎡)を超えるような大きなビルはほとんどセントラル空調方式が使われています。
はじめにセントラル空調方式しか使っていなかった大型ビルが、後に個別空調を採用することによって、個別空調方式とセントラル空調方式が合わさっているケースもみうけられます。
セントラル空調方式を利用している建物には「コアタイム」と呼ばれる空調時間が存在します。コアタイムの指定時間中は空調使用料が共益費に含められているビルが圧倒的に多くなります。
そのため別途費用がかかりません。ただ、コアタイムは土曜日日曜日や祝日は含まれない場所が多いのです。
その建物によって変わりますが、「7:30から18:30」など建物全体で定時の時間が決められている場合もあれば「1日連続8時間」という形をとってテナント毎に決められるところなど建物によって大きく違いがあります。
コアタイムを利用できる時間にオフィスが使えれば費用をかなりおさえることができます。また、気になる点は空調の設定を自由にできないことです。
セントラル空調では原則的に各部屋でオンオフの切り替えや温度の調整ができなくなります。つまり個々の希望に沿うことが難しくなります。
特に厳しいのが季節の変わり目です。建物の中が全体を通して暖房と冷房が全て切り替わるので寒かったり暑かったりしてしまいます。また、コアタイムではない時間に空調を動かす場合に時間外の料金がかかるので休日出勤や残業がある企業には向いていないかもしれません。
空調は併用型やVAV方式がおすすめ
建物全体ではセントラル空調を採用して、それと別に各階もしくは各部屋で個別空調を部分的に設置している建物もあります。これは個別空調とセントラル空調の併用型です。
建物の全体的な温度管理はセントラル空調で行うようにします。時間外に空調をつかいたい時や、風量や湿度などを微調整して個別空調を用いることができるのです。
またVAV方式という空調も優れた空調の一つです。この方式は建物内の室内温度差センサーを使うことで自動的に風量を調節してくれるものです。運用上ではセントラル空調となっていますが、手元のスイッチで自由に風量を調整することができるのです。VAV方式では省エネをはじめ、節電、経費削減も期待されています。
このような建物が見つかれば快適になおかつ空調費用も抑えることが可能になります。
まとめ
空調システムはこれが絶対に良い、とはいいきれません。企業ごとに利用人数や営業時間、部屋の数なども異なってくるのでオフィス移転をするときには実際利用しているときを思いうかべながら選んでいくようにしましょう。
空調は「そこにいる人やそこにあるものにとって快適な空気の環境をつくる」ためのものです。オフィス移転をするときには内見するときに必ず空調設備をみせてもらうようにしましょう。空調を整えることによって快適に過ごすことができるといいですね。